229  聖霊でバプテスマするキリスト


わたしは水であなたがたをバプテスマしたが、その方は聖霊でバプテスマされる。

(マルコ福音書 1章8節)


 これは洗礼者ヨハネが、自分の後に現れるキリストがなされる働きを預言した言葉です。しかしヨハネの直後にイスラエルに現れたイエスは、多くの病人をいやし神の国の福音を宣べ伝え、神の無条件の恵みを注いでいかれましたが、聖霊によってバプテスマするという働きはまだしておられません。これはまだイエスが栄光をお受けになっておられなかった、すなわち死から復活して神のもとに上げられていなかったからです(ヨハネ7・39)。しかし復活してキリストとして立てられてからは、キリストは信じる者に聖霊によってバプテスマする働きを開始されました(使徒1・5)。キリストはその十字架上の死によってわたしたちの罪、神への背きを取り去ってくださったのです。

 イエスは「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる」と言っておられます(マタイ7・7~8)。ここで「だれでも求める者は受ける」と言っておられるのは、聖霊のことを指しています。ルカ(11・13)では、イエスははっきりとそう言っておられます。イエスは生涯、病人をいやし神の無条件の恩恵を宣べ伝えて多くの人を助けて来られましたが、十字架・復活の後にはキリストとして、信じる者に聖霊を与え、わたしたちの中に働いてくださる聖霊によって、その救いの働きを進めておられるのです。

 わたしたちは聖霊によって「アバ、父よ」と祈り、人生のすべてを天地の創造者である父に委ねて平安の内に生きることが出来ます。わたしたちの祈りは自分のことだけを祈り求める祈りから、神の栄光とその御心の実現を祈る祈りに変わります。今までは自分の満足を求めて自分中心に生きてきましたが、背く自分を無条件に受け入れてくださった神の愛の場に生きるようになったので、他者を無条件に受け入れる愛、いかなる者も敵でさえも赦し受け入れる愛に生きるようになります。そのように生きられたイエスが慕わしく、イエスの弟子として歩むようになります。それは聖霊が与える新しい愛、上からの愛です。

 天と地に満ちる万物を存在させている神、あらゆる生き物に命を与えて生かしておられる神が、イエスを死者の中から復活させてキリストとし、キリストに属する民を復活の希望に生きる民とされました。創造者はキリストの民を復活させて御自身の民とされます。キリストはわれわれ終わりの日に復活するように定められた新しい人類の初穂、頭、代表者なのです。神はその民に聖霊を、すなわちイエスを死者の中から復活させたかたの霊を内に働かせて、わたしたちを復活を望み見る者にしておられるのです(ローマ8・11)。

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